REPORT 0006
市販ビデオカメラ映像から路面状態を把握する技術
2019.10.07
【募集課題タイトル:走行車両の乗り心地・安全性の改善】
計測のイメージ
インフラ運営・維持管理上の課題
毎日のパトロールを実施する中で、変状の感知は隊員の感覚に頼る場面が多々あります。このような感覚による定性的な感知だけではなく、路面の変状を日々のパトロールの中で簡易的に計測して検出する技術があれば、日々変化する路面の状態を定量的に評価することができます。これにより、適切な道路管理に繋げることができるため、利用者の皆様に対して快適かつ安心、安全な道路サービスの提供に繋がります。
実証フィールド
猿投グリーンロード(下)約7km
南知多道路(上下)約20km
先進技術の概要
定期点検の間に進行する路面損傷や突発的な路面損傷箇所を効率的かつ効果的に発見するために、路面映像より、AIにて路面修繕候補箇所を抽出する技術の実証を行いました。
道路パトロール車など、一般車両に市販ビデオカメラを取り付け収集した路面映像を解析することで、修繕候補箇所を自動抽出するものです。
本技術には以下のような特徴があります。
➀ 映像を収集し、PC上で解析を実行するだけで、専門知識や道路規制がなくても、修繕の一要因となる亀甲状ひび割れ箇所及び路面状態を把握できる。
② 道路管理者の管理基準や活用用途にあわせ、抽出内容をカスタマイズもできる。
先進技術の現場検証結果
技術検証では、2路線において、各管理道路の制限速度で路面を道路パトロール車で撮影し、解析を行いました。映像による目視確認と比較した結果、亀甲状ひび割れなど路面修繕候補箇所を抽出できました。一方で、影や路面標示の塗装はがれ等の影響から過検出も確認されました。以下は猿投グリーンロードでの検証例です。
本技術の適用性
亀甲状ひび割れをAIを用いて抽出することで、車両パトロールによる点検の品質を向上させる可能性があり、今後の実用化に向けては検知精度の確認や過検出に対する対策が必要です。また、亀甲状ひび割れは、ポットホールの発生と交通事故の予防的観点から、検出と通知がよりリアルタイム性を持つことで道路管理における適用が可能と考えられます。
日常パトロールの中で、道路規制などを発生させず、法定速度で走行しながら、路面の修繕が必要な箇所の候補を簡易に計測でき、定量的評価を迅速に行えることで道路運営の品質向上とLCCの低減が期待できます。
今後の取組み予定
本技術はAIを活用しており、教師データを充実し学習を繰り返すことで更にブラッシュアップしていくことが可能なため、今回の検出結果に関する継続検証や、実際の管理水準に沿う機能開発を等通して、社会実装の実現に向けた更なる進化が期待されます。
先進技術保有企業
東芝インフラシステムズ株式会社 社会システム事業部 新規ソリューション開発推進部
https://www.toshiba.co.jp/cs/solution/infrastructure_maintenance/index_j.htm
お問い合わせ窓口
マエダアクセラレートフィールズ事務局
TEL:0297-85-6606
Mail:jimukyoku-aaf@jcity.maeda.co.jp